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インド・ネパール旅行記-2007-

デリーに決着

夕飯前、メインバザールに買い物に出かけました。明日この街を出る前に、負け続けたこの大通りでの客引きバトルに最終決着をつけたかったわけです。アジアのマーケットは手ごわいです。250Rsのトレーナーを50Rsまで値切ったら、狂ってんのか?って怖い顔されちゃうし、街中に怪しい日本語が飛び交っているし。

街の喧騒に圧倒されて、自分が本当は何が欲しいのか、分からなくなるのです。 1つの値切りバトルをくぐりぬけるだけでも集中力が必要なのに、横から別の奴が別のバトルを持ち込んでくるものだから、こっちは頭がついていかないし、結局何も買えないのですよ。で、作戦を考えました。大通り沿いで値切り交渉を始めたのが今までの敗因と考え、欲しいものを明確化した後、店の奥でサシの交渉をすること。他の奴らにちょっかいを出させないのが決め手。

やりました。50Rsの観光客向けトランプを30Rsでお買い上げ。値引きはたったの60円ですが、頑張った感が残ります。私はトランプのジョーカーコレクターなので、この街を発つ前に自分へのお土産をひとつ作ることができました。そんなこんなで、メインバザールを買い物して回り、この街の物価がやっと分かってきたようです。水1?が10Rs、30円。トランプ1組が30Rs、90円。そんな街です。

一日の終わり、屋上のカフェレストランで暮れゆくデリーの空を眺めていました。朝の7時に覚醒した街は、夕方7時に日が沈みます。この季節のインドはそんな感じみたいです。今夜もStar Viewホテルの屋上から、星を眺めながらお夕飯となりました。

このレストランで働いている従業員さんと仲良くなりました。ビールを勧められましたが、ここはインド。ヒンズーの国でアルコールはご法度でしょ?といったら「そうだっけ?」ととぼけていました。家族と一緒にデリーで暮らして、この宿にもう9年も勤めているとか。いま20歳ということなので、11歳の頃から働いているということ?!「じゃあ、スペシャルホテルマンだねー」と誉めたら笑っていました。笑顔の可愛い奴でした。

食後のお会計も彼。計47Rsだったんですが、私の持ち合わせが50Rsで、そのまま渡しました。こういう安宿でチップなんてあまりないものなんでしょう、彼はお釣りを渡したいけど持ち合わせがないんだ、と片言で弁解を始めました。こちらとしては最初からチップのつもりだったんですが、ちょっとからかってやりたくなる笑顔です。「あなたちゃっかりしてるね。You are チャッカリシテルBoy, aren’t you ?」「チャッカリシテル??(笑)」「Yes, チャッカリシテル。」そう言って2人で笑って帰ってきました。

部屋に戻ってふと気付いたんですが、これって私が求めていた鮮やかな騙しテクだったのではないでしょうか。彼は多分、小銭を持っていないということはないはずなのです。この国では数Rsで十分お茶や物が買えるのだから。彼がウソをついたことは明白で、こっちが軽くちょろまかされてることも自覚したうえで、笑ってOKと言わせてしまうこの技。たった3Rsですが、鮮やかでした。

もちろん悪い気は全然しません。騙されるというのは悪いことばかりじゃなくて、思い出し笑いとともに、ちょっといい気分にさせてくれる質の高い「騙し」もあるってことが分かった日でした。人をちょこっと幸せにする騙しテクニックというか…。こんなHappyな騙しがインド中に広まったらいいのになんて思います。この一件で、デリーに来たことに決着がついたような気がしました。明日、何の憂いもなくこの街を発つことができそうです。

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