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中欧・東欧旅行記-2006-

たまには少し文化的な旅を

夕方、カレル橋のあたりに再び出没。今夜は遊ぶつもり。といっても、目的地は飲み屋ではなく劇場。チェコといったら人形劇だ。昼間、マリオネット博物館の客引きから夜の公演のチケットを買った。演目は『ドン・ジョヴァンニ』。さあ、笑わせていただきましょう。

チェコがまだハプスブルグの支配下にあったころ、この街ではチェコ語の使用が禁じられた。ドイツ語の影にひっそりと身を潜めてしまった祖国の言葉。だがしかし、唯一マリオネット劇場でのみこれを楽しむことが許されたのだ。よってチェコでは人形劇が盛んになり、街角には今でも様々なマリオネットが飾られている。

話の内容もチェコ語も全く分からないが、全体的にベタなコメディタッチのストーリー展開で私のツボにはまった。人形の動きもなんか可笑しい。たまに黒子が見えちゃったりとかするのも気にならないというか、むしろ可笑しい。小劇場の芝居をみているみたいなアットホームな暖かさがあって好きだ。オペラのシーンを生で歌ってくれたらよかったのにと思ったが、それじゃこの安い感じにそぐわないかと思い直す。ラジカセスイッチオンしたのがバレバレだからこそ、チェコの人形劇なんだろう。

そして舞台の梯子をする。次はブラックライトシアター。暗い舞台を背景に、黒子が人形やら役者やらなんでも操る、飛ぶ、回る。これはチェコオリジナルのエンターテイメントの一つで、とても完成度の高い舞台が見られる。今夜のストーリーは『不思議の国のアリス』。真っ赤なりんごをモチーフに、なんだか幻想的で哲学的な精神世界を旅する1時間半だった。見終わった今も体がふわふわしている感じ。アリスと一緒に空を飛んでいたかもしれない。その夜は不思議な感覚に包まれたまま眠りに就いた。

 

翌朝、街のクリーニング屋に洗濯物一式を預けて、ムハ美術館へ直行。昨日、聖ヴィート教会で素晴らしいステンドグラスを見たら、やっぱりもっと見たくなった。そんなに大好きな画家というわけじゃないのだが、この街の人に言わせれば、プラハといえば祖国、祖国といえばムハ!なんだそうだ。この擦り切れた感じの色合いが味らしい。私はヴィヴィッドで目を通り越して直接脳に飛び込んでくるような絵のほうが好きなのだが、まあ郷に入ったので郷に従ってみる。確かに、ふくよかな女性の曲線美とか、淡い色で表現されたらそれはそれで美しい。

でも気に入った作品を数えていくと、やっぱりある程度カラフルなものばっかりだった。女優サラがハムレットに扮したお芝居のポスターに10点満点をつけたい。男装した女性のこの凛々しい美しさに。これは黒がとても魅力的。それから、シリーズで有名な4 day、『朝の風』と『昼の空』。朝は花の赤が、昼は真夏の青が、やっぱり綺麗。個人的な趣味としては、黄道12宮のブロンドさんもステキだと思う。どっかの女神みたいだ。

 

少しばかり美術館でショッピングをして、レストラン『ムハ』へ。店内に飾られた古ポスターには、姉様の大好きな『椿姫』もあった。早速白ワインで乾杯。シェフおすすめのムハプレートには、ローストダックやらポークやら肉料理が3種、それとクネドリーキにザウアークラウト。チェコは肉料理がうまい。ボリュームも抜群。2人で分けても、てんこ盛りだ。せっかくだからグラーシュもシェアした。〆て2人で480 Kc。2640 円なり。ワインも入れてこの値段なら多少安いかなと思う。

普段、あまり旅先で芸術鑑賞をしない旅人だが、その国の文化に触れるのは旅の魅力のひとつだと再認識。これからは時間が許すのならどんどん美術館や劇場に足を運びたい。

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