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中欧・東欧旅行記-2006-

魔女を探してオンチェシュティ・その3

本に登場している魔女は2人いた。お婆ちゃん魔女ニッツァは病気で少し元気がない。もう一人、ニッツァより少し若い、でも十分魔女っぽい風格な(つまり十分お婆ちゃんな)アヌツァ。他にも幾人かのヴラジトアレがいるらしいが、できればこの2人に会いたい。マティの従兄弟の答えは如何に?!

「ニッツァはもう随分前に亡くなってしまったんだよ」
ガ――ン!!!やっぱりそうだったのかー。仕方ない、のかもしれない。旅に出るのが遅すぎたのだ。がっくし凹んだ私を励ますように付け加えられた一言に思わず小躍りしてしまった。

「でもアヌツァが死んだって話は聞いてない。この村にはもういないようだけど。ニッツァの娘を知っている人がいるから訪ねてみるといいよ」

マジですかーーー!!
ツテのツテを辿る人探し、まだ終わりじゃないらしい。写真だけで、果たして見つかるのか私の魔女!そして、こんな調子で知り合いの知り合いを紹介されながら、ついにニッツァの娘に行き着いた。マティの車でニッツァの娘の家へGo!果たしてお母さんは、ルーマニアの魔女はご存命なの??

人探しには写真1枚あればいい。あとは度胸だ。ルーマニアとウクライナの国境付近の、バスも止まらないような小さな村まで勢いだけでやってきちゃう度胸だ。それだけあればなんとかなる。ニッツァの娘が案内してくれたのはオンチェシュティ村のお隣、バドウィゼィ村の小さな一軒家。手前の小さな部屋に案内されると、手の込んだ刺繍で飾られたソファの上にお婆ちゃんが座っていた。

あぁ、間違いない。紛れもない。捜し求めたアヌツァだ!何回も何回も捲ったページの中の人がここにいる。
おばーちゃーーん!!!嬉しくて思わず彼女に飛びつく。

「貴女に会いに日本から来たんです。ずっと会いたかったんですー!!!」
思いの丈を日本語で告白。あまりに感動しすぎてとっさに英語なんて作れなかったのだ。訳わかんないだろうに、それでもうんうん頷いて、ぎゅっと抱きしめてくれるアヌツァは、優しい田舎のお婆ちゃんで、魔法みたいな包容力だった。ああ、魔女に会った。13年間、長い旅だった。

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