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中欧・東欧旅行記-2006-

ウィーン、カフェ巡り

この旅最後の長距離列車に揺られて、旅の出発点であるウィーンへ戻ってきた。ウィーンは旅しやすい街だ。地図の読めない私でさえ道に迷う事が難しいくらい、看板が的確な頻度で的確な位置に立っている。プラハの中心街に比べれば車は多いが、歩道も広くて歩きやすい。王宮を眺め(でも入らない)、王宮庭園のモーツアルトと2ショット。昔、寅さんの映画でこの風景を観た気がする。なんでオーストリアに来て寅さんを思い出すのだろう…。

ザッハ−ホテルの1階があの有名なザッハ−トルテの本場。行かないわけにはいかない。むしろケーキ目当てでウィーンin-outにしちゃったくらいだ。王宮まできといて入館しなかったのはザッハ−トルテとの出会いをお茶の時間ちょうどに間に合わせるためだったりもする。

本家本元のザッハ−の暖簾は思っていたより軽くて、ラフな格好の旅行者から、メタボリック症候群の気がありそうな地元のおじさんまで、庶民の楽しむカフェスポットといったところ。でも、やはり人気は抜群らしく、席につくまで少し待った。席が見つかっても、この人の多さじゃ、のんびり休むなんて出来なさそうだ。ケーキの本場の本家本元なんて謳い文句だから、ヴェルヴェット生地のカーテンがひかれた高級感溢れる店内で2時間くらいかけてお茶するところなのかと勝手に妄想していたのだが、そういう雰囲気ではないみたいだ。

イメージが外れて少し残念ではあるけれど、運ばれてきたザッハ−はさすがに本物。高級感が違う。酸味のきいた純度の高いチョコレートとふわふわのホイップクリームの相性がばっちりで、存在感も抜群。こいつはもはやケーキの王の貫禄。お値段も貫禄の4.5ユーロ。高い…。ザッハ−コーヒーとセットで7ユーロ。お茶代だけで1000円超えなウィーンの物価、恐るべし。

すっかり、ウィーンスィーツに心奪われた私は翌日もウィーンのカフェへ向かった。今日はザッハ−と対極のデーメルに。ザッハ−トルテの本家を奪い合って裁判沙汰を起こしたこともあるという、いわくありげなカフェだが、入り口のショーウィンドーに並ぶケーキたちの顔を見たら、こっちが本家でもいいかもと思った。

昼食代わりとか嘘ついて、ケーキを2つオーダー。フルーツたっぷりのショートケーキとチョコクリームを1個ずつ+アールグレイ。いや参った。こんな美味しいケーキ、生まれて初めて食べたんじゃないか?ケーキの王道であるふわんふわんのスポンジに、バニラビーンズ入りのクリームがベストマッチ。そして、その上を飾る甘酸っぱいフルーツたちの色鮮やかなこと!一口食べて、ホゥ、と溜息が漏れた。

対するチョコレートケーキは、決して甘すぎない、でも酸味が強すぎるわけでもない絶妙のチョコクリームがしっとりしたスポンジを包む一品。邪魔にならないキルシュの香りが、さりげなくチョコを引き立てている。これぞ完璧!一口食べて、涙が零れた。もうここのケーキは全般的に神の領域、だと思う。ザッハ−も美味かったけど、あれが醸し出していたのは、生クリームたっぷりのコーヒー+重厚なトルテでどぎつい同士の究極の高級感。デーメルのケーキにアールグレイを足してあげてできあがるのは、なんというか、繊細な日本人がほっと落ち着ける安心感みたいな。ザッハ−対デーメル、個人的な判断だけど、軍配はデーメルにあがり!

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