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ペルー旅行記-2005-

マチュピチュで夢の続きを

ついに念願のマチュピチュへin!入るとすぐに、バッグにワイナピチュを従えたマチュピチュ遺跡が姿をあらわす。この時点でもうみんなダルウィンの話そっちのけ。嬉しすぎてシャッターを押す手が止まらない。が、そのへんはもう慣れっこなのか気にせずどんどん進んでいくダルウィン。遺跡の重要(だと信じられている)スポットを一周しながらいろんな話を聞かせてくれる。

「コンドルの神殿」では方位磁石を口ばしにのっけ方角を確認。コンドルは西を向いていた。翼を広げるコンドルの広場は宗教的な儀式が行なわれてた場所らしい。翼の上の壁の窪みはミイラを安置する場所だったのだという。もしかしたらこれはミイラを死者の国に運ぶため翼だったのかもしれない。マチュピチュの西には死者の国があると信じられていたのかも。

技術者の居住区には有名な「石臼」がある。「石臼」というのは単なる名称で、実は重要な宗教的儀式に使われた場所らしい。でも本当のところは文献が残ってないため計り知れない。全部推測の域を出ない話。やっぱり単なる石臼でしたってオチも十分あり得る話だと思う。ただ、太陽を水に浮かべて輝く石臼はどことなく神聖な雰囲気を漂わせているのは確か。

「3つの窓の神殿」は伝説上の「タンプ・トッコ」かと謳われる遺跡。3つの窓はインカ神話では良く出てくるが、「タンプ・トッコ」という地の3つの窓のうちのどれかから神の息子である初代皇帝とその兄弟たちが誕生したことになっている。だとすればこの場所がインカ帝国の最初の聖地か。

そして「インティワタナ」。ここがマチュピチュの最高点であり同時にもっとも重要な広場。ここにある1.8mの日時計がインカの暦を決めていた。インカは太陽神を神とする独自の宗教観を持っていたが、彼らの暦ももちろん「太陽暦」。一番高く一番日当りのいいこの場所を太陽の神様の居場所にしたかったのかもしれない。ここから眺めるマチュピチュは最高だ。

そんな感じで遺跡をぐるっと回って、ダルィンのお話は終了した。ちゃんとポイントごとにオチをつけてくれるからなかなか面白いガイドだった。まぁ、話はなくても印象的な奴だったには違いない。さて、お昼までは少し時間がある。自分らでこの遺跡を探検しよう、ということになるも高低差の激しい遺跡だけに、すぐ息が上がってしまう。足をかばいつつ、ゆっくり上を目指す。どうせなら高いところから遺跡全体を見渡したい。一番上には見張り小屋が見える。そこを目指して一歩一歩登っていく。が、かなりキツい。途中、石壁の隙間から顔を出したトカゲにご挨拶。こいつ、マチュピチュで暮らしてるのか。なんとも羨ましいことだ。

やっとで見張り小屋到着。もうへとへと。ここも有名なフォトスポットなのか、人がたくさん集まってカメラを構えていた。自分はもう一踏ん張り。小屋の裏手からマチュピチュを見渡すため、足を引きずりながら進む。そしてそこで見た景色は!!

あぁぁぁこれだぁぁ!!!求めてた風景これだよぉぉぉー!
ワイナピチュを背負って悠然とそこに存在する空中都市「マチュピチュ」の姿。そうこれに呼ばれたんだよ、私は。
ついにたどり着いた。なんか感動で目頭が熱くなった。10年越しの夢、今叶えたぞー!!

「サンクチュアリロッジ」のバイキングでお腹を満たした後、再度マチュピチュにアタック。見張り小屋の少し先に人気のない絶景ポイントを発見し、そこからマチュピチュを独り占めして過ごした。大きな石に腰掛けて、ボーっとマチュピチュを眺めながらいろいろ妄想してみた。例えば昔、私がウルバンバ渓谷を渡るコンドルだった時に、この遺跡はまだ誰にも発見されていなくて、鬱蒼としたジャングルに隠されていた大きな秘密の砦だった。例えば昔、私が皇帝に仕える巫女だった時に、眼下に広がるアンデネスの豊作のともろこし畑を歩いていた。例えば昔、私がこの国の神官だった時に、満天の星空の下で、空の行方とインカ帝国の行く末を思案していた。

ここで見る夢は壮大だ。ひとりの人間には約60兆個もの細胞があると聞く。その細胞を形作る無数の原子の中のたった一個が、もしかしたらその夢を実現していたのかもしれないと思うと少し笑えた。そのたった一個の原子が今ここに里帰りして、でっかい過去を見せてくれたのかもしれない。もしかしてマチュピチュに呼ばれた理由、それだった?一人のちっぽけな人間の中には宇宙137億年の夢が詰まってる。そしてその夢の続きを、今私が創ってるとしたら、最先端を生きてる私がどこまでいけるか、これってけっこう見ものじゃないかと思うんだが・・・。これまでの一年は精神的にも肉体的にもハードな日々が続いていたが、それでもマチュピチュという夢があったから越えてこれた。そして夢がなった。さあ今、次の目標をどこに設けたらいいものか。マチュピチュで夢の続きに想いを馳せる時間。これを最高と言わずして何と言おう。

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