« | トップページ | »

ペルー旅行記-2005-

眼下には密林

10時過ぎ、LAN PERU071がジャングルに向けて飛び立った。簡単な食事が配られる。小型の国内線飛行機なので、エコノミー座席にモニターはないが、私の席の少し前方に大きめのTVがあり、なんだか面白い番組が始まった。「Just for Laugh」、日本でいうとドッキリカメラみたいなものか。これがメチャメチャ面白い。ここまでやるかってくらいやってくれる。外国の(ラテンの?)番組は限度が日本を大きく越えてるらしい。眼下には密林こんなこと日本でやったら責任問題だぞってとこまで攻める攻める。それがすごく新鮮で面白い。気付けば自分も他の乗客と一緒になって大笑い。知らなかった。笑いのツボって全世界共通みたいだ。

まもなく最初の冒険地、プエルトマルドナードに到着する時刻。着陸前から気持ちが落ち着かない。窓の外を覗きこむ。眼下には密林、そして曲がりくねった大河。ああ、ついにアマゾンに来てしまった!プエルトマルドナードに着いたのは12時半。飛行機を降りると、季節が夏に変わっていた。暑い。かなり暑い。湿気を含んだ風がフライト後の乾燥した肌にまとわりついてくる。さすがは熱帯性気候だ。カーデガンを脱ぎ捨てて、いざ冒険スタート。さっきまで腹を抱えて笑っていたが、ここから先はサバイバルだ。

ジャングルバス空港で私を待ち受けていたのはド派手なシャングルロッジバスだった。その派手さが半端なくて、スタート早々大笑いする羽目になった。恥ずかしさから探検者の憂鬱を感じる。これに揺られてプエルトマルドナードを突っ切っていく自分は、町人たちから見たらどれだけ滑稽だろうか。いや、でもこれがジャングル探検というものだ。藤岡弘探検隊だって、どこからどう見ても恥ずかしいじゃないか。この滑稽さこそが探検の基本なんだ、きっと。

プエルトマルドナードの船着場で、やっとド派手バスから解放された。今度は船に乗れという。なんとここから1時間20分も河を遡らないといけないらしい。どんだけ奥地なんだ!いや、これぞジャングル探検だ!

小さな船は流れのゆるい大河をゆっくりと上っていく。両岸は熱帯雨林。きっとサルやジャガーが隠れている。この濁った水の下にだって、きっとピラニアとかアロワナとか、想像を絶するやつらが生息しているに違いない。プエルトマルドナードの船着場ワニが狙っているかもしれない。アマゾン、ここは一般人の常識の範囲を超越した地だ。そんなことを、藤岡隊長は語っていた気がする。彼がタランチュラにやられたのは確かその直後だった。確かに常識を超えている。冷静に常識で考えたら、地面に穴掘って生活しているタランチュラが、突然頭の上に乗っかってくるはずがないじゃないか。

そんなことを考えていたら、船頭のおやじさんがバナナを一房投げてよこした。
「ほら、昼飯だ」
時計は14時を回っていた。飛行機で出た軽食以外、何一つ口に入れていなかった私はかなり腹ペコだった。
「えぇぇ〜!これが昼ごはん??これだけ??!」
日本語で叫んだ私の言葉が分かったわけでもないだろうに、おやじさんがニヤッと笑った。これを食べられるだけでも儲けもんだぜ、みたいな笑顔。ああ今この瞬間、アドヴェンチャーの真髄を感じ取ったかもしれない。

<<  contents  >>

Town13   HOME

当サイトに掲載されている文章、写真等の無断転載・転用を禁止します。
Copyright (C) 2009-2011 Étranger, Memory All Rights Reserved.


« | トップページ | »