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ペルー旅行記-2005-

観光列車とベテランガイド

マチュピチュ行きの名物列車、ビスタドームは早朝にクスコの街を出発して、午前中のうちにマチュピチュの麓、アグアスカリエンテスに到着する。午後には帰りのビスタドームに乗ってクスコの街に帰ってくるのが一般的な日本のツアー形態だった。でも、今回の旅のメインは他でもないこのマチュピチュなわけで、それをとんぼ返りなんて恐れ多すぎだ。ということで、今回はアグアスの村のホテルを一泊予約。余裕たっぷりで世界遺産マチュピチュを味わいつくすプランを決行した。

その日、マチュピチュでのガイドをお願いしていた自称ベテランガイド、ダルウィンさんに挨拶をして、列車に乗り込む。ビスタドームは定刻6時にクスコの駅を出発した。世界遺産の街並みが朝日に映える。スイッチバックを繰り返しながら山を下っていく列車。ポロイ駅を出てすぐ、朝7時、サンドイッチとフルーツの軽い食事が配られ始めた。出発が早いため乗客の中には朝飯を逃した人たちも多かったようだ。温かいコカ茶のサービスが嬉しい。

ビスタドームはどうやらこの辺では高級ランクの観光鉄道のようだ。乗客たちは海外からの観光客ばかりで地元の人たちはまったく乗っていない。それぞれの車両に車掌が乗り込んでいて、サービスも行き届いてる。窓も広くて、日本で言うなら「スパービュー踊り子」ってところか。8時、オリャンタイタンボ駅を過ぎると、車内販売が始まった。その様はまさに観光列車。品揃えも抜群。思わずマチュピチュDVDを買ってしまう。日本語バージョンもあって、まさに観光列車。

高度はどんどん下がっていくのに、あたりはどんどん山らしくなってくる。なんだか変な感じだ。マチュピチュは高山帯ではなく亜熱帯性の気候。すぐ向こうはもうジャングルになる。気候区分の変化に伴って植生の変化が見てとれる。そういう意味では大きな窓の観光列車も悪くはない。

切り立った谷間を潜り抜けて、大きな川岸を突っ切って、氷山を横目にトータル3時間半の車窓の旅。アグアスカリエンテスの駅についたのは9時40分だった。駅は綺麗で大きかった。アグアスカリエンテスは、四方を山で囲まれた谷間の村、大して大きい村ではないが、南米一の観光客数を集める。なんてったって、すぐそこにマチュピチュ。駅で荷物を預けると、人の流れにのっかってバス停へと直行した。

バスに乗り込み、九十九折の道を登る。断崖絶壁を登っていく恐怖のバスだ。前情報で怖い怖いと聞いていたが、まあ別にたいした事はない。うちのオカンの運転で、光が原あたりをドライブする方がずっと怖い。自慢じゃないが、車ごと崖に落っこちそうな経験は豊富だ。

30分ほど登るとマチュピチュエントランスに到着した。人でごった返している。みんな朝のビスタドームでクスコからおりてきた観光客だろう。さすがマチュピチュ。大人気の世界遺産だ。ギリシャのパルテノン神殿より賑わっている。遺跡内にはトイレがないと聞いていたので、エントランスのトイレに入った。入り口にも行列。そしてなんとここはトイレに入るにもチケットがいるらしい。トイレ入場券。こんなのを買わされたのは生まれて初めてだった。1トイレ50センティモ。約20円。これは果たして高いのか安いのか??

連れと二人、人ごみをうろうろ歩きまわる。マチュピチュツアーが始まる時間が近づいても、自分のガイドが見つけられずにいた。クスコの駅で一度顔を見たっきりの自称ベテランガイド、ダルウィンさんを探す。しかし顔を覚えるのが苦手な自分、握手までしたのに顔が思い出せない。相棒も覚えてる事といったら「比較的背の高い男の人だった」ってことくらい。あとは「ダルウィン」という今にも進化しそうな名前だけ・・・。

「やっべ、このままじゃ、自分の名前叫びながら登場してくれない限りうちら分からないんじゃないね?!」とか冗談言って笑ってると・・・
「ダルウィン!ダルウィン!ダルウィングループ!!」
遠くから激しく叫ぶ男の声が聞こえた。
「!」
マジか!ホントに名前叫びやがったよ、おっさん!
「ダルウィン!ダルウィン!ダルウィングループっ!!!!!!」
いや、分かったから。インパクト強すぎだから。こうして誰も迷うことなくエントランス前集合が完了する。さすがと言うよりほかない。自称ベテランガイド、伊達じゃない。

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