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ペルー旅行記-2005-

ネズミを食べる

近郊の遺跡を駆け足で回った後、また市内に戻ってきた。有名な12角の石を写真に収め、最後に街の中心、アルマス広場へ。街の真ん中に公園があるというつくりは実にヨーロッパ的。スペインに征服される以前はどうだったのか。存在感のあるカテドラルはインカ時代、ビラコチャ(皇帝)の神殿だったところに建てられた。有名な教会は元をたどるとたいてい大きな神殿や皇帝の宮殿跡になっているという。インカのとっておきの場所にキリスト教の教会を立ててしまうんだから、市民の反発もすごかっただろうと思う。が、それにしてはうまいこと改宗が進んでいったようだ。

ひととおり行ってみたいところを回ったので、今度は夕ご飯を探しつつ、クスコの街を散策した。迷いながらもなんとなくクスコの街が分かってきた。危険な場所は雰囲気で判断。暗くなっても大通りでは観光客が多く、逆に昼間より賑わっているように見える。どうやらクスコの街の夜景は有名で、みんなの目当てはそこらしい。たしかにオレンジの街灯に照らされアルマス広場は昼間よりもひときわ美しかった。

お夕食は高地の名物クイに挑戦。ネズミの丸焼き。正しくは野生のモルモットみたいなやつだ。こんなところでなけりゃ口にする機会なんてないはずの一品。お店を見つけるのはしごく簡単。クイが食べたい!そう思ってぶらぶらしてれば、あっちからもこっちからも客引きにあう。

ただ、どこのレストランにでもあるものじゃないらしく、クイの丸焼きと言った途端に別の客を捕まえにいくやつらもいる。が、この街に食堂はごまんとある。うちのクイは安いとか、ポテト付きにする、とかいって四方八方から手を引っ張られた。結局お手ごろそうな店を一軒選んで客引きについて行くことにした。

「クイをお願い。写真を撮りたいから切らずに持ってきて」
と我儘にオーダーしてみる。
「よしきた!」とウエイターが引っ込んでしばらく待つと・・・来ました!クイの丸焼き!

何も隠すところのないリアルなネズミっぷりに、旅の連れと二人で歓声ではなく悲鳴をあげる。すっごい顔。焼かれながら「うぎゃー!!!!」って叫んでたんだろうなあというすさまじい形相。そしてすっごい臭い。香草なのか獣本来の臭いなのかは謎だが、鼻が曲がりそうな油っぽい臭いが立ち込めてるテーブルの上のモノ。

・・・これは・・・食べるのか?食べ物なのか??人が食べちゃっていいものなのか???

取り合えず写真を撮ってはみたものの、ナイフが突き立てられない。でも、これが旅だもの。私、いま旅人だもの。食べないわけにはいかないじゃないか!意を決して、一口。

すっごい味。本当にすっごい味だった。言葉で表すなんて私にはできない。ただ、そこに存在し続けるゴムのような弾性力のしつこさといったら・・・。見た目も食感も、こんなに自己主張の激しい料理はサバンナですら、ジャングルですら出会ったことはなかった。

結局3口でギブアップ。もう半泣きで「ラクエンタ、ポルファボール(お会計お願い)」。
ウエイターさんの目が笑っているのを見た。しかも、この味で40ソルってそりゃ高いだろ!旅人にに鮮烈な敗北感を植え付けて、クスコの夜はふけていったのだった。

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