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ケニア旅行記-2005-

孫悟空の独り言

ナクル湖国立公園に向かう道の途中で休憩を取った。ここまで走ってくるまで気付かなかったが、ここは大地溝帯のど真ん中だったらしい。

大地溝帯真っ只中を走っていきますエジプトからモザンビークまで7000kmも続く大地の裂け目、大地溝帯、グレートリフトバレー。話を聞く限りではとてもじゃないが想像できないと思っていた。だが、ど真ん中に立ってみると何の事はない、ただの山と谷だ。その幅は70km。これが今でも少しずつ広がっているらしい。

グレートリフトバレーの形成が私たちの進化の鍵となったという説を聞いたことがある。人類がここまで発展したきっかけとして、二足歩行を手に入れたというキーポイントがあるが、それには大地溝帯形成による環境の変化が大きく関わっているらしいのだ。ってことは、私たちを生んだのはある意味、この大地の裂け目ってことになるわけだ。なんと!人間はみんな孫悟空だったのね。

国立公園内は安全のため原則車移動ですが、アンボセリのオブザベーションヒルは歩いて登れますそう考えるとただの山と谷にも威厳が感じられるようになってきた。うん、素晴らしい風景じゃないか。この草むらで私たちは進化した。はじめて見る風景だけど、私のDNAは知っている風景。それが今、目の前に広がっている。人類の故郷、アフリカの大地を二本足で踏みしめる夢がついに叶ったわけだ。生きている事に感謝しなければいけないなと思った。ここまで命を繋いでくれたご先祖様に感謝だ。

調子に乗って、これから先の進化についてちょっとだけ思いを馳せてみた。この大地の割れ目が少しずつ少しずつ広がっていって、いつかアフリカ大陸が2つに割れてしまう時が来るとする。その時、おそらく我々は生きてはいないけど、次に進化する何かがこの新しい海辺を歩くことになる。あぁ地球の営みってすごくドラマチックだ・・・。

街道沿いの村、車窓より「近道ヲしましょう」
ジョージが提案して、我々を乗せた小さなワゴンは山に入った。予想通り、道がとんでもない。今日もすばらしくジャンピングサファリだ。エンドレスビックサンダーマウンテンとでも言えば分かりやすいかもしれない。畑や牧草地帯の真中をガンガン振り回されながら突き進んでいく。時折街道沿いに小さな町が現れ、小さな子供たちが元気な顔で手を振ってくれるのがとってもかわいかった。

ふっと思い立って電子辞書を取り出してみる。調べてみてドキッとした。ケニア人の平均寿命は約55歳、私たち日本人よりずっと低い数字だった。子供の死亡率が低いのが原因の一つらしい。他にもエイズやら黄熱やら怖い病気がいっぱいあるし、野生動物に殺される事だってないことはないのだろう。逆らえない現実を見つけてショックを受けた。

ついに赤道にも立ちましたそれでもこの子たちは、この上ない笑顔を湛えて手を振ってくれている。この力強さはどこからくるのかしらと思った。そして人間もそんなに弱くはないものなんだと気付く。私だって強くはないが、そこまで弱くはないんだろう。そうさ自分だってもっと頑張れるのさ!この歳で病気に負けてなんかいられないじゃないか!

生き抜くパワーを見せつけるかのような子供たちの笑顔に元気をもらって、こっちも力いっぱい手を振りかえしてしまった。サファリだけじゃないケニアの魅力がこんな小さな町に落っこちていたりする。これだから旅はやめられない。

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