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ケニア旅行記-2005-

ケニアのロッジの過ごし方

黄熱病の予防接種は受けては来たのだが、マラリアを忘れていた。そしてベッドの上に吊るされている蚊帳は、どこのロッジでもところどころ破けていた。蚊との戦いがこうして始まる。

ベッドの上に吊ってあるのが蚊帳(穴開き)実験の結果、虫除けスプレーには効果は期待できなかった。しかし、日本の蚊取り線香はなかなか優秀だということが分かった。ロッジに着くとまず、蚊取り線香のあのぐるぐる螺旋の内側と外側両方に点火する。そうすると凄い勢いで煙が出るが、これで手っ取り早くやつらを殲滅できる。この戦法でゴキブリをしとめることも度々あった。

いつもはサファリに出かける前に蚊取り線香に火をつけるようにしていたのだが、一度部屋にいる時に、例の蚊取り線香アタックをかけたことあった。あの妙に甲高い羽音にせっかくの昼寝タイムを邪魔された故の報復のつもりだったが、これはさすがにやりすぎだったようだ。

螺旋の両サイドからの煙攻撃は確かに効果抜群なのだが、あまりに効果的過ぎて、こっちまでせきが止まらなくなってしまった。慌ててロッジの外に避難。蚊を落とすつもりが、こっちまで殺られそうになり、結局お昼寝どころではなくなってしまった。

室内は涼しくて、お昼寝にはもってこいなんだもの・・・旅に出て昼寝なんてけしからんと思うかもしれないが、ここでは実際、毎朝毎夕にサファリに出かける他は、特にすることがない。やることがないので、昼寝をしたり本を読んだりとぐうたらする。実に退屈だ。しかし、この退屈さが実はケニアンバカンスの醍醐味の一つなんじゃないかとも思う。国立公園まで来るとナイロビの喧騒が嘘のように静かで、空も真っ青だ。この空の下、日陰のベンチに腰掛けて、鳥の声と虫の羽音を聞きながらのんびり過ごす昼下がり。こいつはなかなか手に入らない贅沢だと思う。思えば去年の夏は病院の真っ白なシーツの上で、気が狂いそうな退屈を味わったものだが、環境の違いでここまで退屈が贅沢になるものなのかと感心した。

どのロッジにもたいていプールがあるのですこんなに時間があったら他人は何をして過ごすんだろうかと興味がわいて、同じロッジに泊まっている人たちを観察しに敷地内をぐるっと一周回ってみた。ヒヒと一緒にプールで泳ぐアクティブな体育会系の若者もいれば、趣味なんですとはにかみながら絵を描いている芸術家タイプの人もいる。家族宛てにせっせと手紙を書いているおばあちゃんもいれば、昼間っからタスカービールをあおるおじちゃんもいる。みんな思い思いにポレポレタイムを楽しんでいるようだ。

アンボセリロッジの食事(半分食べちゃいました・・・)夕方のサファリから戻ると夕食になる。ロッジによって異なるのだが、だいたいがヨーロピアンスタイルのバイキング形式で、デザートには南国のフルーツがたっぷり盛り付けられていた。マサイのダンスを見せてくれるロッジなんかもある。

食事が終わるとまたやる事がなくなる。しかし、本を読むにも、外はもう真っ暗で部屋の明かりも薄暗い。そんな時は何をするか。私は贅沢な時間の過ごし方を見つけた。プールサイドで横になって、空を見上げるのだ。ここからなら木々に邪魔されず星空を堪能できる。

ロッジスタッフはみんなフレンドリー満天の星空という言葉があるが、ケニアの夜空はまさにそれだ。天の川が本当に白い帯のように見えるからすごい。はじめて見る南十字星、飛び交う流れ星。宇宙は思っていたよりずっと賑やかな場所らしい。こんなに夜空が明るいなんて私は知らなかった。

こうやってまた一日が終わる。明日もまた新しい時間の過ごし方を考える。それがケニアのロッジの過ごし方。思い思いに退屈を過ごすこと、その中で新しい発見をすること。

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