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ケニア旅行記-2005-

再びナイロビへ

マサイマラで宿泊中のロッジには、おもしろいカフェがある。大きな木の太い幹に沿って階段を上に上に登っていくと・・・なんとそこはサバンナが一望できる木の上のカフェ。

木の上のカフェにていや、カフェと言っても椅子とテーブルが置いてあるだけで、隣に立つ母屋のロッジからセルフサービスのコーヒーや紅茶を汲んでこないとならないのだが。それでもここはかなりいい暇つぶしスポットだ。サバンナを渡ってくる風に吹かれながら飲むケニアンコーヒーはどんな安物の豆を使っていようが格別の味。まあ気分的な要因なんだと思うが。

自分普段はそんなにコーヒーを嗜む人種ではないため、食堂で「ケニアンコーヒーだよ」と出されても、ただ酸味が気になる苦い飲み物としか感じなかった。いい豆を使ってないんだろーとも思っていたが、この木の上のカフェで飲むケニアンコーヒーには趣がある。なんたって、目の前サバンナだ。 ロッジは川の向こう。ボロボロの橋がかかってます

木の上での時間の使い方を覚えた私は、サファリ以外の時間をたいていここで過ごした。コーヒー片手に日本の友人に手紙を書いたり、ほかのチームがサファリで撮影してきた動物の写真を見せてもらったり。時には椅子を並べてお昼寝したりもした。

旅の最終日の朝、最後にどうしてももう一度木の上のカフェに登りたくなってテントを抜けだした。朝早いため木の上には誰もいない。カフェを独り占めして、日の出直前のサバンナを見つめていた。遠くに一匹、トピだろうか、同じようにこっちを見つめている奴がいた。私にはぼんやりとしか見えなかったが、奴らの視力はすごいらしい。おそらくこっちの顔までしっかり見えているのだろうと思った。

喰われるとこうなるのか!目が合って、少しだけ同じ時間を共有する。「次に会うときまで、お互い頑張って生き延びようぜ」なんて言ってみる。ライオンに喰われんなよ!なんて。次、またこの国に来た時もこのロッジの木の上のカフェに絶対登ってやろうと思った。お気に入りの場所がまたひとつ増えた気がした。

朝食を済ませ、朝7時半にマサイマラを出発した。一路ナイロビへ。途中、トムソンガゼルやシマウマに挨拶しながら、気持ちは少しだけ昨日のヒョウを探してしまった。まあ、また会いにくればいい。すっかりリピーター志望だ。自然は気まぐれだけど、その分大きな感動がある。山育ちの私には、この大自然のバカンスが何より性に合ってる気がした。ロンドンやパリの街を歩くのも素敵だけど、タヒチやグレートバリアリーフも綺麗だけど、私はやっぱり生きた緑の中にいたい。 グッバイサバンナ

ナイロビに着いたのはお昼過ぎだった。日本食レストランで昼食。経営者は韓国の方らしい。中では黒人さんが板前の格好。これがまたなかなか似合っているのだ。店内は白人のお客が多かった。店の駐車場は警備員が立っていてなんとなく物々しい雰囲気。ナイロビに戻ってきたんだなあと再認識させられる。観察してみて気がついたのだが、みんな何気に箸の使い方がうまい。恥ずかしい話だが、私だってちゃんと正しく使えるようになったのはつい最近だ。世界に広がる日本食ブームに、外人さんはきっとてんてこ舞いしてるとばかり思っていたのに。 また来るぜケニア

空港に行く前に、近くのスーパーに寄ってもらった。お土産をたくさん買い込む。レジのお兄さんとスワヒリ語で挨拶。私もケニア人のまねが板についてきた。なぜだろうか、ケニア人はタスカービールを褒められると、自分が褒められたみたいに笑顔になる。みんなタスカーを愛しているらしい。

名残尽きないこの国に別れを告げて、出国のスタンプをもらう。離陸は夜7時。少し遅れているらしい。飛行機の窓から見るケニアはもう日が傾き始めている。エミレーツ航空のサービスでおしぼりが配られた。さすがにもう安心だろ、とばかりに虫除けをぬぐったら、離陸までの数分間で見事に蚊の洗礼を受けた。あちこち刺されまくり。最後の最後まで、さすがケニアだと言わざるを得ない。この強かさ、生きる力、これこそが私が見たケニアだった。

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