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ケニア旅行記-2005-

epilogue

それは出発直前の話。いろんなところで公言していたのが災いして、私のサバンナ行きが主治医の耳にも入ったらしい。退院後の診察で病院を訪ねた際、診察室に入るや否やアフリカ行きについて問い詰められることになったわけだが、本気であることを告げて平謝りする他なかった。せっかく救ってもらった命とか動くようにしてもらった体とか、そういったものを軽はずみな行動で再度危険にさらそうとしているのかもしれない自分は、たいそうな愚か者だと分かっている。が、行かなかったら私の人生始まらないのだ。ということで、呆れた苦笑まじりのOKをもらいアフリカ行きが決定した。

最後に「まぁ行ってもいいけどさ、転ばないでネ」と諦めたように呟いた主治医の台詞が妙におかしくて、人生の再スタートにはぴったりだと思った。これから先行けるとこまで行ってみて、転んだらまたやり直し。そうやって生きていけばいい。人間は強いということをこの旅で学んだ。予後がどうだとか、5年生存率がなんだとか、耳をふさぎたくなるような言葉が飛び交う世界であと数年頑張ってみないとならないわけだが、私だってそう弱くはない。そんな簡単には死なないだろう。転んだらまたやり直せばいい。これぞケニア風ハクナマタタな生き方だ。もしかして私はそうやって人生に転ぶ度にまたアフリカに行くことになるんだろうか。それも悪くないかな、と今は思うのである。

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