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ケニア旅行記-2005-

10mはなかろう

「忘れ物ハないと思いますネ」
この旅でサファリのガイドを務めてくれるジョージ・オニャンゴの口癖だ。ガイドのジョージ、もうすぐ結婚! 私はこのもってまわった言い回しに弱い。
「忘れ物は…多分ないとは思うけど、そう言われるとなんか心配になってきたから確認してきます」
という習慣が身について、よく物を無くすこの私が今回旅では忘れ物ゼロの快挙を打ちたてた。サファリは基本、団体行動。数人のチームで各国立公園を回ることになるが、彼のこの一言のおかげでうちのチームは誰も忘れ物しらずだった。

当初、日本語ガイドをつけますよといわれて、むしろ英語のほうがいいんじゃないかと心配したのだが、ジョージの日本語は実に聞きやすく、且つ的確だった。確かにスレンダー
「ケニアノ男ノ人、みんなスレンダー。どうしてか分かりマス?」
「え?たくさんご飯を食べないから?」
「No. みんなたくさん歩クから。車持ってない人、みんな朝5時に起きて、仕事場マデ歩きマス。2時間モ3時間モ」
「3時間も歩くの?片道??!」
「Yes. でもこれが普通のことデス。ただ、金持ち、車持ってる、ダカラ歩かないデスネ。ダカラ太る」
「なるほど!!」

ショージの話はアバウトだが面白かった。そこからケニアに住む人たちの日常が垣間見えてくる気がした。アフリカ大陸では比較的物価の高いナイロビの街で、きっとジョージも必死に生きているんだろうな・・・と思っていたのだが、これが彼らにとっての普通、これが日常なのだといわれたら、こっちは返す言葉もない。自分がいかに浅はかな人間なのかを見透かされたような気分だ。彼の言うポレポレでハクナマタタな生き方はステキだと思う。せっかく大都会を抜け出してここまできたのだから、これだけは学んで帰らなくては。

ドライバーのジェンガさん、その視力はジョージを上回るというそんな彼はルオ族という部族の生まれ。ケニアといえば草原の王者マサイ族しか知らない私だったが、彼によるとケニアには様々な部族があるらしい。サファリカーのドライバーはキクユ族のジェンガさん。キクユの民は商売上手で有名だという。ジョージの生まれたルオ族はビクトリア湖のほとりがルーツで、魚をよく食べるとか。オニャンゴとは彼の部族の言葉で『朝』という意味だと教えてくれた。

「朝産まれれば名前に『朝』つきます。夕方産まれれば『夕』、雨の日なら『雨』つきます」
「って、そしたらみんなおんなじような名前になっちゃうじゃない?!」
「そうネ」
そうネって・・・。とぼけてるのか本気なのか、よく分からないからまた面白い。

ウミワシ;10mもあったら飛べなかろう出発待ち合わせは時間にはポレポレなジョージだけれど、しかしいざサファリに出ると、彼の感覚が神の域だと実感する。私に見えなくったって、彼には全て見えている。さすが視力5.0。そして彼のスケール感も計り知れないことが発覚。

「あれ、あそこにいるの、ウミワシという鳥デス」
「おっきい鷲ですねー。サイズどのくらい?」
「はい、10くらい」
「え!?10m!!」
「そうネ」
「いや、せいぜい2、3mくらいでしょ??」
「ウーン、10くらい」
「・・・・・・(〇o〇;) 」

これが現地の民のスケール感。時間も空間もスケールでっかいぜケニア。いや、ジョージだけか。

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