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ドイツ旅行記-2003-

ノイシュバンシュタイン城とルートヴィヒⅡ世

フッセン駅ドイツの鉄道はありがたいことに基本On Time。予定通りフッセンの駅に到着した私たちは、今夜宿泊予定のちょっと高級なホテルに直行。とはいってもさすが高級ホテル、探すまでもなく駅の真ん前だった。

さすが4つ星。中庭もあるし、バルコニーからはフッセンの可愛い街並みとアルプスの前衛が一望できる立地。せっかくだからしばらくは部屋でのんびりする予定だったんだが・・・、どうもこの部屋、豪華すぎて落ち着かない。それに外はいい天気だし・・・。ということで、早速旅のメインテーマである城巡りに出発することにした。ホテルのバルコニーから街並みを見る目指すは初っ端から一番の目玉、白亜のノイシュバンシュタイン城。

フッセンの駅前からシュバンガウ村にあるお城のチケットセンター前まではタクシーで9ユーロくらいだった。ここで日本語のオーディオツアーを申し込む。入場は16:10。観光客が多いので時間を区切って入場させているようだ。時間はまだたっぷりあったので、ノイシュバンシュタイン城が見渡せるマリエン橋へ行ってみた。移動はバスと徒歩。橋はたくさんの観光客でごったがえしていた。ここが一番の撮影ポイントになっているらしい。

ノイシュバンシュタイン城記念撮影をしている人たちの横をすり抜けていくと、ついに城とご対面!!すごい!でかい!豪華!写真を撮るのも忘れて見とれてしまうくらい美しい白。またの名を「白鳥城」と呼ばれる所以がこの美しい白なんだろう。たたずまいも何となく清楚な白鳥をイメージさせる。何と言ったらいいか、ここに来てしまったら毎週見てたTDLのシン○レラ城なんてもうお話にならない。この城をモデルに使っちゃったウォルト・ディズニーの気持ち、分かる気がする。いやはや、ドイツにきてほんと良かった。

マリエン橋からノイシュバンまでは徒歩で移動。私たちのツアーは日本人ばかりだった。入ってすぐのところでオーディオを借りていざ、城内へ。まずはメイドさんたちの部屋へ。小さなベッドが30個ほど残るこの部屋は、ちょっと薄暗くて寂しい感じだった。よく見てみると一個一個のベッドがやけに小さい。昔の人は背が低かったのだろうか。丸まって寝ていたのかしら?私なら足が半分飛び出しちゃうような小さなベッド。労働条件はあまり良くなかったのかもしれない。

ノイシュバンシュタイン城オーディオガイドによれば、次の部屋は玉座の間。「玉座」というからには王様のメインステージ的Bigな部屋に違いなかろう、と期待に胸が膨らむ。と、こりゃまた!とんでもない部屋に案内されてしまった。

でかい金色のシャンデリアが吊るされた天井は何本ものラピスラズリの柱で支えられていた。部屋を囲む壁には物語の中の神々や英雄たちの伝説が描かれており、ジークフリートが巨大な竜と戦うそのすぐ向かいには、キリストが十二使徒や天使たちに囲まれて立つ壁。この美しさ、なんというか、圧巻だ。王様ってすげぇ。

しかしこの部屋、肝心の玉座がない。右を見ても左を見てもない。壁のモザイク画や金のシャンデリアはすばらしいが、城建設にお金をかけすぎたバイエルン王ルートヴィヒⅡ世は、なんとこの城の完成を待たずして謎の死を遂げている。

ノイシュバンシュタイン城から城下を見下ろす王の寝室には大きなベッドに豪華なソファー。窓からは麓の村の家々や農場が見渡せる。彼が毎日見るはずだった風景を、今はたくさんの観光客が毎日毎日眺めている。彼の悲しい運命と、この城の煌びやかさはまるで相反するもののような気がしなくもない。でも一人の人間の儚さを思うと、よりいっそうこの城の美しさが際立ってくるのかもしれない。

最後に案内されたのはヴァーグナーのオペラが描かれた歌人の間。ここでは今でも演奏会が行われているらしい。その昔、天井にずらっと飾られた燭台のろうそくが王だけのために灯されたのだという。想像すると鳥肌モノだ。

土産物を買い込んで、チケットセンターまで降りてきて初めて気付いたこと。あれこの町、タクシー流れてないよ・・・。はて、どうやって帰ろう?行きはよいよい帰りは・・・。まさかフッセンまで馬車に乗るわけにもいかないし、この町には駅はないから列車も来ない。フッセンまで馬車に乗るわけにも・・・これは困った。ちゃんと調べて来ればよかったのに、勢いだけでホテルを飛び出しちゃったものだから打つ手なし。シュバンガウ村の大通りで、日本人娘4人は途方に暮れてしまった。

が、そんな時に天の助け!タクシーが一台だけ通りかかる。もうみんな思わず一斉に手を挙げてしまった。これは本当にラッキーだった。もう観光客はほとんど帰った後だったし、チケットセンターが閉まったこんな時間帯にタクシーが通りかかるなんて奇跡的だった。ノイシュバンへ向かうなら、帰りの足をしっかり確保してから出かけましょう。これが今日の教訓。

タクシーをゲットした我々はその足でシアターに直行。ダメもとでチケット売り場に掛け合ってみると、またまたラッキー、今夜のミュージカルの席がまだ残っていた。ということで、今夜はルートヴィヒⅡ世をモデルにしたミュージカルを観劇。

いい舞台だった。生のオーケストラの迫力もさることながら、役者陣の美声が観客を引き込む。舞台セットも大掛かり。ラストシーン、ルートヴィヒⅡ世が湖に消えていく場面では、いつの間にやら舞台の真ん中に本当に湖ができちゃってるというびっくりな仕掛け。これには仰天だった。この王の死にはミステリアスなところが多く、自殺説他殺説いろいろあるようだ。実は生きていて他国に逃亡したなんてのもけっこう面白いと思う。

ノイシュバンシュタイン城をめぐる一人の王の人生、今日は半日かけて世界史の実地勉強みたいだった。悪くない。やっぱり本物を見るのが一番だ。

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