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ドイツ旅行記-2003-

袖スリあうも多少の・・・

フッセン2日目、曇り空。雨が降るかもしれない空だ。チェックアウトを早めに済ませて、昨日のチケットセンターへ急いだ。土曜日なので観光客はいつもより多いだろう。出遅れたくはない。

馬車に乗る今日はホーエンシュウバンガウ城のオーディオツアーチケットをとった。チケットセンターから城までの移動は馬車。ドイツでは良く見かける馬車だが、乗ったのは今回が初めて。そういえば、ギリシャ旅行の時はロバに乗ったっけ。御車のおじさんはなかなか愉快な人で、会話が弾んだ。

幻想的なエメラルド色の湖が左手に見えてくると、ここからは急な坂を登る。こんな急な道を5人も乗っけて登っていくのだから、馬も大変だろう。しかも女の子たちにきゃあきゃあ騒がれ、挙句の果てに体に触られて、見るからにお疲れのご様子。足を引きずりながら、へとへと感たっぷり出して頑張ってくれた。林の中に入ってしまうとかなり涼しい。長袖を着ていても肌寒く感じた。

ホーエンシュウバンガウ城ホーエンシュウバンガウはルートヴィヒⅡ世の父親マキシミリアンが買い取り、今のようなネオゴシック様式に改装した城。ルートヴィヒⅡ世も幼い頃からこの城を訪れ、ここから建築中のノイシュバンを眺めていたりもしたのだそうだ。確かに、窓からはアルプスの山々と昨日堪能した美しい白鳥城が見渡せる。

城を彩る絵画はノイシュバンに負けてはいない感じ。ほとんどの絵が漆喰の壁にそのまま描かれているからすごい。この部屋が丸ごと芸術作品みたいだ。ノイシュバンと違い、戦いの絵が多いのも特徴的。オーディオガイドの説明によれば、この城もとは騎士の邸宅だったらしい。ルートヴィヒⅡ世は王であるにもかかわらず、極端な戦嫌いだったと伝わっている。そのため彼の住まいには人同士が浅ましく争いあう姿は見られない。

ホーエンシュウバンガウ城 ホーエンシュウバンガウ城内部で一番のお気に入りは客間。大きな部屋ではないが、ここが最もこだわりが深い。小さなこの部屋の壁には、姫にプロポーズする王の姿が壁いっぱいに描かれている。天井ではアラバスターで作られたランプがルビー色に輝いていた。ここまでするかってくらいロマンチックルーム。こんな客間に泊められたらドキドキで眠れなかろう・・・。

シュバンガウのお土産屋さんで買い物を楽しみつつ、次は世界遺産のヴィース教会でも行ってみようかなんて話していたら、4人娘の一人が驚愕のつぶやきを発した。
「あれ、財布ない。あれ?え?・・・盗まれた?!」
「・・・・」
「うっそー!!??」

ホーエンシュウバンガウ城彼女のバックに入っていたはずのお財布が忽然と姿を消していた。バッグのチャックが半分開いた状態で。4人とも個々に土産物を選んでいたため、彼女のバッグのチャックが開けられたことに誰も気付かなかった。本人も思い当たる節はほんの一瞬、二人組の外国人観光客風の男の子に挟まれたが、別に気にしていなかったとのこと。その一瞬で50ユーロとクレジットカードが消えてしまったということらしい。ショックというよりも一同その鮮やかさに感動を覚える。

とにかくインフォメーションセンターにて状況を説明しクレジットカードを止める。その後ポリスにも連絡して、私たちはパトカーへと乗せられた。明らかに定員オーバーな感じのギュウギュウ詰めのパトカーに乗ってフッセンのポリスオフィスへ。なんだか護送されているようなへんな感じだった。そのままオフィスで1時間の事情聴取。

ポリスのお世話になる警官は我々の身ぶり手ぶりの話を辛抱強く聞いてくれた。彼らの話によると相手はプロのスリグループで、どうもこのところ多発している手口らしい。お金が返ってくる可能性は低そうだ。やはり旅行客で込み合う土日は狙われやすいのだろう。しかも私たちは日本人だし、いいカモだったもよう。悔しい。

が、落ち込んでいても返ってこないこないものは返ってこない。いい教訓と武勇伝を得たと思って次に進もうということになった。彼女は賢くも、いくつかの財布にお金を小分けにして持ち歩いていた。おかげで全財産を失うという最悪の事態にはならなかったのだ。

だまし絵のホーエス城ということで、一旦仕切り直し。ポリスオフィスがフッセンだったためタクシー代がういたじゃないか、というポジティブ思考で再スタートを切る。ミュンヘン行きの電車まで、まだ時間があった。それならもうどんどん観光を続けちゃおうよってことで、フッセン市内のホーエス城に向かう。ここなら徒歩で十分いける距離だし、バッグを預けてあるホテルからも近かった。

ホーエス城は外観がすべてだまし絵でできているユニークな城。ドイツの車窓から出窓なんか近寄って確かめてしまうくらい本物っぽい。不思議ななお城を作ったものだ。ただ資金がなかっただけ、だったりして。

フッセン街歩きを楽しんだ後、ミュンヘン行きのREに乗って2時間ほど鉄道の旅。車窓にはドイツの田舎の夕暮れ景色。いきなり草原から鹿が顔を出したりするから気を抜けない。家路につく人たちもなんとなく絵になる風景。いろいろあった一日だったが、みんな元気だしまあいっかと思う。明日はミュンヘン。久々の大都会だ。

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