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ギリシャ旅行記-2003-

アテネ街歩き

目が覚め、時計を見る。結構眠れたようだ。きんきん耳鳴りは続いているが、昨日の腹痛が嘘のように消えていた。いっぱい寝たからだきっと。そういえば、昨日は疲れと緊張と腹痛でろくに食事もできなかったっけ。アテネ行きに乗り継いだ後の機内食を体調不良でお断りしたのでちょっとお腹が減っていた。「寝てたから知らないだろうけど、機内食のデザート、ハーゲンダッツだったんだよ~」と連れが得意げにダメ押し。空の上だけど、思い切り地団太を踏んだ。

アカデミー 予定通り7:00にアテネ着。時計を合わせて飛行機を降りる。これで当分こいつ(飛行機)に苦しめられなくて済むとか思うと、小躍りしたくなる思いだ。無事に着いてホントによかった。
飛行機から降りると、なんだか空気が違う。人の流れも、飛び交う言葉も違う。ついに来た。ここが神々の国ギリシャ、アテネだ。

空港からアテネ市内までの交通が心配だったので、旅行会社の送迎を頼んでいた。迎えに来てくれたのはギリシャでガイドをやってらっしゃる景子さん。日系の方で日本語はペラペラ。飛行機がさんざんだったという話をしたら耳鳴りの治し方を教えてくれた。これで体調は完全回復。もう怖いものなし。ホテルに荷物を預けたら、さっそくアテネの街へくりだす。

まずやってきたのは観光客で賑わうプラカ地区。お土産店がひしめきあう大通りを歩く。道の両側から客引きの声が飛び交っている。
「この感じ、どっかで見たことあると思ったらあれだ、上野のアメ横!」と空気の読めない発言で、異国情緒もなにもかも消えうせる。もうアメ横にしか見えない・・・。言うなれば『異国の言葉飛び交うアメ横』?そんな感じ。

お土産はラピスラズリの地球儀とニケの石像お土産店のお兄さんたちは基本やけにフレンドリー。これが『ラテン系』ってやつらしい。買い物する気がなくても、ついのぞいてしまう。で、驚いたのは、値札の書かれた商品を置くお店がほとんどないこと。この街では値段交渉が基本らしい。観光客、とくに日本人なんてばれた日にゃ、どれだけ吹っかけられるか分かりゃしない。言い値で買ったら損と景子さんも言っていたっけ。でも、日本じゃ値段交渉なんてフリマくらいでしか知らない自分は、この街の買い物においてはバリバリの素人だ。

いくつかのお店を回って腕試しをしてみた。最初は値切ることに抵抗があって恐る恐るだったが、この絶妙な駆け引きが意外と楽しい。値切りすぎると交渉決裂しちゃうし、かといってぼったくられるのは癪に障るし。自分の納得できる金額で買うことができるか否か、ギリギリのラインでお互いの腹の内を探るゲーム。それがこの街の買い物だ。けっこう楽しいかもしれない。

そんな危ういゲームに熱中しすぎてお財布が空っぽになっちゃう前に、ポツリポツリと雨があたってきて現実に戻る。傘を持ってなかったので一時ホテルへ引き上げた。春のギリシャはまだ寒い。

天候回復と同時に、オモニア地区へ。ここは旧市街とでも言うのだろうか。現在はホテルのあるシンダグマ地区が街の中心となっているが、以前はこちらのオモニア地区の方が栄えていたらしい。今は、少し治安の悪い通りもあるとか。治安が悪いといっても、ギリシャは隣のトルコやイタリアに比べたらずっと治安は安定している。英語はどこでも通用するみたいだし、やはり観光で売っているだけのことはある。ここで簡単に食事を済ませ、中央市場へ。

中央市場ではフレンドリーなお兄さんたちに東洋人だと珍しがられ、中央市場の肉屋さん「君のカメラいいね。日本でいくらだったの?オレに売ってくれない?」とからかわれる。
ペットショップ(鶏やら鶉やらを売っていたから鳥屋さん?)の店番している男の子がとても可愛いかったもんだから、一緒に記念撮影。
ピスタチオをつまみ食いさせてくれた果物屋のおじさんには抱きつかれてキスされて・・・。

なんてこった。ここはまったく賑やかな国だ。みんな愉快で毎日が楽しくってしょうがないって感じ。これがラテン系ってやつなのか。

でも、明るい部分があれば暗い影もあるのが現実。このオモニア地区の大通りを少し外れると、そこかしこに腕や片足のない物乞いさんたちが座っている。なんかいろいろ吹っ切れている日本のホームレスとはまた少し違った雰囲気で、女性や子供までいるからカルチャーショック。アルバニア系の難民が多くなり街の治安が心配だ、と景子さんは言っていた。そういうことらしい。

日本でも毎日イラク情勢が報道されている。けど、私たちにとってはリアリティもないし、距離的にも遠すぎて戦争なんて画面の中だけ出来事みたいだ。でも、今まさにこの近くの国が戦火を上げようとしている。その結果、こんな悲しい眼の人たちをいったい何人生み出すんだろうか。あんたらは平和主義の看板を掲げた国で生まれ育ったただの世間知らずだ、と物乞いの悲しい眼に見透かされているような気がする。これは画面の中の作り話なんかじゃない。ここはギリシャ。ここまで来なければ気付けなかったことがある。

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